子猫と愉快なゴリラ達
「ミイちゃん、美味しい?」
鬼女が僕に見せた威嚇の形相とはうってかわって、小さな女の子に笑顔で話しかけた。
一生懸命たこ焼きを頬張る小さな女の子はコクりと首を上下した。
はたから見れば、モデル並みの美少女と誘拐したくなるほど可愛い女の子。
二人がほのぼのとする光景はとても見とれてしまう。
その時だった。
突然、そのほのぼのとした空気の中に屋台の屋根が飛んできた。
そしてさっきのアホ共の怒声が教室に響いた。
「なんやとおお!このゴリラ!!わいのなにわ大阪魂バカにする気かっ!?」
屋台の兄ちゃんは顔をタコのように真っ赤にしている。
「バナナねえたこ焼き屋なんて桃が入ってない桃ゼリーと同じだろうが!!」
うん確かに、ゼリーだけってなんか食欲が出ないよね…。
…じゃなくて!
僕はとっさにさっきの光景に目をやった。