灰色の瞳

「はっ!?えっ!?」

ちょっと待って。


私の母さんと父さんって、確かラブラブじゃなかったっけ。

私の前でもいちゃいちゃキスとか、してたよね。
この間も。


「ごめん、意味わかんない」


そう、私、意味わかんないの。


だって別居とかって、もっと前兆、あるでしょう。


『ロイ、国に帰るんですって。ロイのお父さんが亡くなって、実家を継がなきゃいけないって。母さん、一緒に行くって言ったのよ?でも、仕事が落ち着くまで日本にいろってロイに言われたのよ。』



「うん。で?それでなんで、家の中空っぽなの」


それなら、母さんと私がこの家に残ればいいのに。



『母さんの収入だけじゃ、この家のローンと生活費、払っていけないのよ。セラは学校があるから、学校の近くのアパートに暮らせばいいわ。そこの大家さん、母さんの友達だから安くしてくれてね。そこなら母さんも安心だし。母さんは実家に戻るから、実家の方が仕事からも近いし。』


うんうん。なるほどね。



まあそれならわからなくもない、か。
普通、ありえないけど。
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