瞳の奥の真実
 今日も練習を見に行ったら、新しい曲の作成中だった。

 ノートパソコンと、小さいキーボードの前に岡崎くんが座って、その周りをみんなが囲んでいた。

 基本的に曲は岡崎くんが、歌詞は水沢くんが作るが、こんな歌詞を入れて欲しいとか、曲想はこんな感じはどうかとか伊藤くんと前川くんも入れて、4人でわいわい作っている感じだった。

「すごい!そうやって曲が出来上がっていくのね」

「企業秘密だぞ。山口は聞いちゃダメなんだ」

 そんなことを冗談ぽく言う前川くんを遮って、水沢くんが私を手招きする。

「山口さん、ちょっと聞いててよ。…… ♪夏は~終わり おれたちは~……なんか間抜けな感じがするんだよなー」

「俺はそれでいいと思うんだけどな」

「前川、この部分のギターのラインしか聞いてねえじゃねえか」

「ばれてた?この部分めっちゃかっけー。歌なんかなんでもいい」

「旋律変えるか?♪ラララ~ラララ だからダメなんだろ?」
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