瞳の奥の真実
 岡崎くんは、私を手招きして水沢くんからちょっと離れた。

「結構、徹夜で勉強しているみたいだから、ちょっと寝かしてやろう」

 そう言って、少し離れた席に座った。

「夏樹はいいの?」

 急に名前を呼ばれて驚いた。

 水沢くんに「夏樹」と呼ばれるようになって、フェリスのメンバーからも「夏樹」と呼ばれてはいたけど、岡崎くんに呼ばれたのは初めてだったからだ。

「え?な、なにが?」

 ちょっと動揺した。

「大学、ホントはもっと上に行けたんじゃないのか?」

「それね、先生からも親からも、さんざん言われてる」

 岡崎くんはじっと私を見る。

 岡崎くんの目は、私の心を見透かしているようにも見えた。

「将来の行き先が、上の大学に行った方が有利になるならそうしてるから」

「夏樹の行き先は?」
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