瞳の奥の真実
「わからない。まだ何も決まってない。でも、この大学を受けるから不利になるとは思えないし。岡崎くんこそ、いいの?」

「悪いけど、水沢と俺、ラブラブだから」

 そんなことをしれっと言うから、笑えた。

 岡崎くんの目線が、私から外れ、向こうに座っている水沢くんの方に向いた。

「起きた」

 岡崎くんはガタンと立ち上がると、私をじっと見た。

「俺たちの愛する水沢の所に行くぞ」

「水沢くんは、私の彼なんだからね!」

 と、岡崎くんの肩をたたくと、岡崎くんはあははと笑った。

 岡崎くんと話すときは、いつもなんとなく緊張するけど、今日は一歩そばに近寄れた気がして嬉しかった。
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