瞳の奥の真実
「夏樹……」

「え?な、なに?」

 名前を呼ばれただけなのに、心臓がドキドキする。

 顔が見れない。

「次、降りる駅だよ」

「あ、ホントだ!」

「しっかりしてんのに、どっか抜けてるよな」

 頭を小突く岡崎くん。

 ちょっと笑ってほっとした。



 電車から降りて私の家まで二人並んで歩いた。

 ライブの話や高校の時の話、すごく話が弾んでうれしい。

 もう、すぐそこが家なのに、話が終わらなくて帰れずにいた。

「そう言えば夏樹、生徒会だったよな」

「うん」
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