瞳の奥の真実
「……そんなに、いかがわしそうに見えるのかな俺たち」

「いかがわしいって」

「健全なバンドなのになー」

「ギター持って来て、聞かせてやればよかった」

 生徒会室を出た4人は教室に戻ることもできずに、話をしていたみたいだった。

 私が通りかかると、伊藤くんに呼び止められた。

「山口さん!相談にのってくれよ~」

 この時はまだ、生徒会の人間は中立でないと、と思っていたので、「ごめんなさい」と言って教室に逃げるように戻った。


 また次の日も、新しい申請書を持って4人が来た。

 いくら説得しても、会長の意見は変わらなかった。

 次の日は、前川くんがギターを持ってやってきた。

 でも、会長に「ここで弾くのはやめて欲しい」と一括されてしまった。
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