瞳の奥の真実
「俺とあんまり会えなくて、寂しかったんだな―って思って。そう思ってもらえてたことがうれしい!」

 なんて顔するの、水沢くん。

「夏樹、あんまり感情見せてくれないからさ、たまに不安になる」

「そう?」

「うん。夏樹がどっか行っちゃいそうで」

「どこにも行かないよ。水沢くんのそばにいる」

 ちくっと心臓に何かが刺さった感じがした。

 その瞬間、水沢くんに路地に引っ張り込まれた。

 水沢くんの唇が触れる。

 私をぎゅっと抱きしめる腕が少し痛い。

 かなり長い間、離してくれなかった。

「夏樹……大好きだよ、夏樹……」

 路地とはいえ、そばを通る人に気付かれないわけがない。

 私は恥ずかしくなった。

「み、水沢くん……」
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