瞳の奥の真実
「あ、君は……生徒会室にいた……」

「山口!何しに来たんだよ!練習の邪魔でもしに来たのか?」

「伊藤!やめろよ」

 怒りの頂点にある伊藤くんは、私にも怒りをぶつけてきた。

 前川くんも伊藤くんをなだめるような口ぶりだが、本心は伊藤くんと同じ気持ちみたいだった。ギターを抱えたまま、こっちを見もしない。

 岡崎くんはドラムの前に座って、じっとこっちを見ているだけ。

 そっちがその気なら、こっちだって負けていられない。

「生徒会長に認めてもらいたいのなら、まずは私に認めてもらう努力をしたら?」

「なんだと!」

 私に向かってくる伊藤くんを止めるように、岡崎くんがバスドラムのペダルを踏む。

 ドドッ ドド ドドッ ドド

 その音を合図にマイクスタンドから、マイクをはずす水沢くん。
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