天晴
3.11
大きく大地を揺らし、
高い高い波が街に押し寄せた。
3.11
街を飲み込んだ波と同じくらいの量の
涙が落ちた、この土地に、
いなくなった人は、もう帰ってこない。
前を見ても、右を見ても、左を見ても、後ろを振り返っても、
何もない。
でも、乗り越えなきゃいけない壁があって、
見えなくて、でも、あの波よりも高い壁。
飛び越えたところで、
幸せや、失ったものは戻ってこないけれど、
押し迫ってくる、試練という名の壁。
立ち止まったまま。
泣いていたい。
そんな時間が無情にも続いていく。
上を見た。
今日も空は澄んでいる。
飛び越えなくてもいい。
とりあえず、1歩進んでみよう。
我慢しないで、泣きながらでもいい。
前へ、前へと進んでいこう。
横一列に並んで、
前に進んでいこう!