天晴
バスと虹とアマガエル
バスが来た。
乗ってみることにした。
一番後ろの窓際の席。
周りを見回すと、
お年寄りに席を譲る女子高生がいた。
いい時代だな。
そんな時代にボクは生きているんだな。
走り出したバス。
ゴールはもう決まっているのに、
途中で止まって、また走って。
まるで何かを積み重ねているようで。
ほら、そんなに遅く走るから。
雨もすっかり止んでいて。
バスを降りたらその先で見えた虹。
何色って言えばいいんだろう。
いや、いい。
「虹色」だなんて表したくない。
何色かわからなくたってそれでいい。
綺麗だから、
それでいい。
カエルが鳴いた。
小さな小さなアマガエル。
家へ帰ろう。
明日も頑張って生きて行こう。