天晴
一つの光
缶コーヒー片手に、
雨の中、歩くいつものこの道。
傘も差さず、
ただ、ぼうっとして、
眺めている夜景は、サラリーマンの残業で作られていて、
その光の一つ一つに、それぞれ誰か大事な人を守るために頑張っている。
その夜景の一つ、ここからは見えないけれど、
僕もその一つでここに立っている。
生きている。
僕もその夜景の一つになろうか、なるまいか、
そればかり考えている最近を、馬鹿らしくなって。
雨が一層強くなる。
まるで、ここで悩んでいてもしょうがないだろっと語りかけてくるみたいで、
真っ暗な家に帰ってきた。
電気をつけた。
遠くの誰かが見ているかもしれない。
頑張ろう。
一つの光になろう。