夢で会えたら伝えたい
There is no reality veritable
講義もなく、バイトもなく、特に予定を入れなかった珍しい平日。
電車に揺られ、着いたのはあの鉄橋だった。
「ここで私…」
言葉に詰まった夢の中の自分を思い出して、手すりをぎゅっと握った。
遠くを見つめると、彼との思い出が頭に流れた。
付き合い始めた頃に、毎朝迎えに来てくれたこと。
初めて遊んだ日に、彼がコーヒー牛乳を飲みながらそわそわして待っていたこと。
初めてキスをしたこと。
喧嘩して、仲直りして、笑ったこと。
「あれ…やだな…」
いつの間にか、頬は濡れていた。
*