僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「……さとーせんせー!!」
遠くから聞こえた俺を呼ぶ声
声の方を見ると
今丁度話していたふたりが歩いてきていた
「黒木さん!」
「白羽!」
俺は学年主任と一緒に走り
ふたりの元へ駆け寄った
「大丈夫か!?
怪我とかしていないか!?」
「はい!大丈夫です」
元気そうに笑って敬礼をするほどの余裕を見せる黒木
対して白羽は何も言わないでただ微笑んでいるだけ
「……白羽?平気か?」
「大丈夫です……」
そう言って白羽は
幸せそうにはにかんだ
隣に立つ黒木も同じようはにかんだ
それだけで…わかった
「……おめでとう」
俺の言った意味がわかったのか
ふたりは顔を見合わせてやっぱりはにかんだ
唯一意味の分かっていない学年主任が
「早く戻りますよ」と声をかけた