僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「そうですか…
いつも正しい判断ありがとうございます」
「いえいえ
保健室の教諭として正しいことをしたまでですよ
ところで佐藤先生
あのふたりは…もしかして恋人同士ですか?」
「白羽と黒木ですか?
ええそうですよ
俺はあのふたりお似合いだと思いますね
しっかり者の黒木は正義感が強くて医者の娘
病弱だけど優しい白羽と相性は良いと思いますね」
「佐藤先生嬉しそうですね」
言われて自分の頬を触る
…確かに無意識のうちに口角が上がっていたようだ
「…嬉しいですよ
学生は勉強だって言います
俺も教師として勉強は大事だと思います
だけど勉強だけじゃ駄目だと思うんです
友達やクラスメイトなどといった人間関係は勿論
ああやって恋愛も楽しんでほしいですから」
「…佐藤先生って前から思っていたんですけど
良い人ですよね」
「……俺すか?」
「ええ」
「前からって…どういう意味ですか?」
「だって佐藤先生って
一見やる気なさそうに見えるんですけど
実際はとても生徒思いじゃないですか
今白羽くんと黒木さんの話をしている時も
まるで自分のことのようにニコニコと笑っていて
他人の幸せを喜べるって
言うのは簡単ですけど結構難しいことだと思うんです
それを軽々と佐藤先生は出来るんですよ
良い人に決まっているじゃないですか
わたし
そんな佐藤先生好きですよ?」