僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







母ちゃんの病室を白羽と黒木と一緒に出てすぐ

膝から崩れ落ちるように白羽がその場に座りこんだ




「平気か?」




額に手を当ててみると

少し熱く感じた





「黒木
白羽って熱出ていたのか?」


「あたしが知る範囲では出てませんでした

でも自然の森へ行って以来
あんまり体調が良くなかったみたいで…」


「そうか…
ともかく一旦病室だな」





連れて行こうとすると

男性が数人近づいてきて

白羽をあっという間に連れて行った



その光景に俺がポカンとしていると

黒木が説明してくれた





「白羽くんはこの病院では結構有名人なんですよ

だからああやって倒れたりすると
原因が何であれ
多くの医者や看護師さんが助けてくれるんですよ

白羽くんは免疫力が他人より弱いだけで
特定の病気など持っていませんから
どこの科の医者でも対処は出来るんですよ

まあ白羽くん担当の医者もいますけどね」





さすが黒木総合病院の娘だけあって黒木は詳しい

今白羽を連れて行った男性数人も医者だと教えてくれた





「…この病院で働く医者
全員覚えているのか?」


「ええ
父が院長で母がここに勤める医者ですから
覚えようとしなくても勝手に覚えちゃいますね」





……恐るべし黒木









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