僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







「じゃあどうして
さっき梓紗の家を出るとき溜息ついたんだよ」




梓紗が殴りかかりそうな顔をしていたのも理解出来る




「黒岩さんのお宅には色々と助かっているからねぇ…
それでついたのよ」


「それってオレが身体弱いからだろ?」




オレが弱いから…

梓紗のご両親にも迷惑かけるんだ





「昌

お母さんは今でも悔やんでいるんだよ
どうして昌を丈夫に産んであげられなかったのか」




お父さんが言ってくれる

…お母さんが?





「でもオレは…
身籠ったから仕方なく産んだって…」


「また弟から聞いたのか」


「うん……」


「それは違うわよ昌

仕方なくなんて産んでないわ
昌はやっと出来た子だったもの

だけど昌は病弱で
丈夫に産んであげられなくてごめんね」





…オレ

色々勘違いしていたんだ

こんなにもオレは…必要とされていた




「ありがと…お父さん…お母さん…」


「ほら昌泣くな
男の子だろ」


「泣いたら発作起きちゃうでしょ」





我が儘言っても良かったんだ

我慢することなんてなかったんだ





高校生になってオレは

初めて知った








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