僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
真琴は検査入院した
そしてボクは…衝撃的なことを松永先生から聞かされた
今度は真琴も一緒に聞かされた
息子たちはボクと真琴のそれぞれの父親に預けた
その時には既にお互いの祖母は亡くなっていたから
「心くん真琴ちゃん
決めてほしいことが1つだけあるんだ」
「「…………」」
「今真琴ちゃんの中に子どもがいるの
心くんは知ってた?」
「はい……」
「真琴ちゃんの命を取るか
子どもの命を取るか
どちらか選んでほしい」
ボクらは言葉を失った
「正直真琴ちゃんの心臓の病気は悪化しているんだ
食い止める方法は…ない
でも手術して
ほんの少しだけど進行を遅くすることは出来る
だけど…手術をすることは
子どもの命が危険にさらされることともなる」
残り少ない真琴の命を長引かせるか
産まれていない子どもを救うか
…そんな決断…ないでしょ……
ボクは真琴に何も言わないで診察室の外へ出た
背中を扉に預けてそのまま座りこんだ
「…ど…して……
ッゲホゲホッ…ゴホゴホッ…ヒューヒュー…ゲホゲホッ……」
泣きながらボクは喘息の発作を起こした
発作を聞いた真琴が扉を開けて
吸引機をボクに当てながら
真琴と一緒に夜の病院で泣きじゃくった