僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
來真side
今でも覚えてる
母さんが亡くなってすぐのことを
あの日の喧嘩を
「しょうがねぇだろ!
オレにだってオレの生活があるんだよ!」
「チャラチャラしたモデルとかやってねぇで
もっと家族を大事にしろよ!」
部屋で1人小説の執筆をしていた高校生の頃
階下から聞こえてきた弟ふたりの怒った声
ボクはキーボードをうつ手を止めてリビングへ行った
「何しているんだよ…」
「來兄!聞いてくれよ!
空兄がオレにモデル止めろとか言うんだぜ!?
マジであり得ねぇだろ!」
「空真…どうしてそんなこと言った?」
「だって竜真はほとんど家空けているじゃねぇかよ!
もう少し家にいて家事とかやれよって!」
「だからオレは忙しいんだって!
確かに家事とか出来ねぇけど生活費とか仕送りしてんだろ!」
「もっと協力的になれよ!
金いれてるってそんな問題じゃねぇんだよ!」
「ふたり共良い加減にして
斗真がやっと落ち着いたんだよ
さっきまで熱が高すぎて上手く寝付けなかったんだから
起こさないであげてよ」