僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
末の弟・斗真は身体が弱くて
毎日のように熱でうなされ上手く寝付けない子だった
巷で聞く他の子どもより我が儘言わないから手はかからないけど
熱で苦しむ姿を見るのは結構辛いものがあった
「大体…
來兄は働かねぇの?」
「…え?竜真?」
「來兄が働けば
オレがこうしてやりたくもねぇ仕事する必要もねぇんだけどなぁ」
「おい竜真!
來兄に言って良いことと駄目なことあんだろ!」
「空兄だって普段から言ってるだろ
斗真が弱いからいけねぇんだって」
「そ…それは……」
「はぁ…
斗真が健康だったら良かったのによ
そうしたら來兄も働けるから
オレもやりたくねぇ仕事しなくて済むのになぁ」
竜真の発言に空真は納得したように頷いていた
「…ふたり共
言って良いことと悪いことあるよ
斗真が身体弱いのしょうがないでしょ
だって本人の意思じゃないんだから」
「…本当は來兄も思ってんじゃねぇの?」
「斗真がもっと健康だったら良かったって
そうしたらもっと遊びにとか行けたんじゃねぇの?」