僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







末の弟・斗真は身体が弱くて

毎日のように熱でうなされ上手く寝付けない子だった

巷で聞く他の子どもより我が儘言わないから手はかからないけど

熱で苦しむ姿を見るのは結構辛いものがあった





「大体…
來兄は働かねぇの?」


「…え?竜真?」


「來兄が働けば
オレがこうしてやりたくもねぇ仕事する必要もねぇんだけどなぁ」


「おい竜真!
來兄に言って良いことと駄目なことあんだろ!」


「空兄だって普段から言ってるだろ
斗真が弱いからいけねぇんだって」


「そ…それは……」


「はぁ…

斗真が健康だったら良かったのによ
そうしたら來兄も働けるから
オレもやりたくねぇ仕事しなくて済むのになぁ」





竜真の発言に空真は納得したように頷いていた





「…ふたり共
言って良いことと悪いことあるよ

斗真が身体弱いのしょうがないでしょ
だって本人の意思じゃないんだから」


「…本当は來兄も思ってんじゃねぇの?」


「斗真がもっと健康だったら良かったって
そうしたらもっと遊びにとか行けたんじゃねぇの?」





< 249 / 413 >

この作品をシェア

pagetop