僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
竜真が斗真を抱き上げて背中を撫でる
「よしよし」
「…ケホケホッ…」
「…ごめんな」
小さく竜真が呟いたけど
きっと斗真には聞こえていないだろう
「……ごめんね…」
その言葉を最後に斗真は眠りについた
竜真の言葉は聞こえなかったのに
斗真だけ聞こえてしまうなんて
…この現実は何だろうか?
「…竜真…來兄
悪かったな」
「ボクこそごめんね…ふたり共」
「オレの方こそ…來兄に空兄」
「…まさか斗真に謝られるとはな」
「斗真は悪くないのにね…」
「ま…勘違いするのも可笑しくないだろ」
この出来事以来
ボクらは喧嘩をすることを止めた
意見が衝突することはあっても
穏やかに話し合いで済まそうと無言の一致だった