僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







竜真が斗真を抱き上げて背中を撫でる




「よしよし」


「…ケホケホッ…」


「…ごめんな」



小さく竜真が呟いたけど

きっと斗真には聞こえていないだろう




「……ごめんね…」




その言葉を最後に斗真は眠りについた

竜真の言葉は聞こえなかったのに

斗真だけ聞こえてしまうなんて

…この現実は何だろうか?




「…竜真…來兄
悪かったな」


「ボクこそごめんね…ふたり共」


「オレの方こそ…來兄に空兄」


「…まさか斗真に謝られるとはな」


「斗真は悪くないのにね…」


「ま…勘違いするのも可笑しくないだろ」




この出来事以来

ボクらは喧嘩をすることを止めた

意見が衝突することはあっても

穏やかに話し合いで済まそうと無言の一致だった









< 255 / 413 >

この作品をシェア

pagetop