僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
眠そうな瞳のまま微笑む斗真に
ボクは何も言えなかった
「どうして……?」
「…朝…お兄ちゃんいつも来るのに
今日は来なかったから…
可笑しいなって思って来てみたんだ
お兄ちゃんがいつもしているように
僕もしてみたんだ」
「どう?偉い?」と言う瞳を向けてくる斗真
ボクは何度も頷いた
「うん…偉かったね斗真
ありがとう」
にこっと笑った斗真だけどそれは一瞬で
すぐに俯いてしまった
「……ねぇお兄ちゃん」
「うん?」
今更ながら気が付いた
斗真は普段ボクを“來真兄ちゃん”と呼んでいた
だけど今は“お兄ちゃん”
ボクしかいないからだろうか?
名前を付けて区別する必要がないから…