僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「ごめんね……」
「!」
聞き慣れた…
いや…聞き慣れるほど聞いてしまったのかと思えるほど
聞きたくない言葉
それが斗真が発する「ごめんね」だ
普通の人より弱い彼が発する「ごめんね」は
誰が発する「ごめんね」よりも哀しく聞こえる
「お兄ちゃんいつも頑張っているのに…
僕…何も出来なくて…ごめ……えっ!?」
言っている最中だったけど
ボクはその小さな体を持ち上げて膝の上に置いた
「謝らなくて良い
斗真はそんなに責めないで」
長男だから
いつの間にかそんな義務が生まれていた
―――弟を苦しめていると知らずに
「……ね?
そんなに謝らないで
謝られる方がボクは嫌だよ」
抱き上げて気が付いた
…斗真の身体がかなり熱い
熱出しているのに…ボクの所に来てくれたんだ
優しい子だな…本当に