僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory








「…………」


「ご…ごめん來兄」


「悪気はねぇんだ…」




数時間後

ボクは台所で固まっていた




「……コレは何かな?空真
まさかボクに爆弾食べさせるつもり?」


「爆弾じゃなくて…これは…ハンバーグだ來兄」


「ふぅん…ハンバーグねぇ…」


「ご…ごめん!
來兄の大好物だから……」


「…これはどういう事かな?竜真」


「ごめん……」


「ボクがいつも台所
使い終わった後に綺麗にしているの知っているよね?

何なのこの有様
信じられないんだけど

家の中だけど台風でも来た?」


「……ごめん」





ボクは溜息をついた

そしてリビングでハラハラしている目で見ている斗真と父さんを一瞥して

ボクは大きく息を吸い込んだ








「もう二度と作るな
オレの努力を無駄にするんじゃねぇよ

ふざけんじゃねぇよ
マジであり得ねぇんだけど

どうしてこうになるわけ?
え?
ねぇ説明してよ

…説明しろよ……」


「來兄來兄!
そんな笑顔で言わないでくれー!」


「空兄に一票ー!!」






「……父さん」


「ん?何斗真」


「…僕
來真兄ちゃんは怒らせないようにする」


「大丈夫だよ
斗真にはもっと優しく言うはずだから」


「あれより…優しく?」


「…斗真平気?顔が真っ青だよ」


「……うん
やっぱり怒らせないようにする!」






斗真がその日固く誓ったことを

ボクは知らない








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