僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
空真side
「……來兄?」
オレが呼びかけると來兄はハッとしたかのようにオレを見た
どこかに出掛けていたのか?
「どうしたライ」
「ちょっと…色々思い出して」
「やっぱりアルバム見ると思いだすよなぁ」
オレは無言で頷いた
オレは普段この家族の中で喋る方じゃない
むしろ聞き役にまわることの方が多い
というか…
竜真に言おうとしていたことを
先に言われてしまう方が多いんだけどな
にしても…
オレは常々記憶は凄いものだと思う
オレにとって一生手放せないものは
家族と記憶だと思う
オレは竜真と違って彼女なんていないから
家族と記憶は
オレにとって
―――忘れてはならない大切なものだ