僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
オレは白羽家の次男として
兄・來真と弟・竜真に
物心ついた頃からコンプレックスを抱いていた
來兄は成績優秀で中学高校は生徒会長を務め挙げ
人望があった
竜真はスポーツ万能でコミュニケーション能力が高く
來兄と同じく人望があった
中学高校と來兄と竜真と同じ学校に行っていたオレは
常に人に囲まれている兄と弟を見てきた
1歳しか変わらない
同じ校内に白羽と言う
珍しい名字が揃った3兄弟
オレらは校内でかなり目立つ存在だった
その上來兄が生徒会長で竜真はスポーツ万能
比べてオレは成績もスポーツもそこそこ
「どんなに優秀な生徒なのだろうか」と期待してやってくる奴らを
ガッカリさせたのも1度や2度じゃない
そしてオレはコミュニケーション能力が皆無に等しかった
來兄は自分から積極的に話しかけることはなくても
いつもスポットライトを浴びて堂々と生徒に語りかけていた
しかも「噛むから」と言う理由でカンニングペーパーはなし
いきなり本番で拍手喝采の演説をしていた
竜真は人前で発表ということはなかったけど
周りの奴らを笑顔にさせるのが上手くて
いつも輪の中心で笑っていた
人望もコミュニケーション能力も高い兄と弟の間のオレは
1人静かに特定の友達としか話さない
そんな地味な奴だった