僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
そして
発表される時が来た
お客さんもいつもより多い
結果発表が気になるのだろう
お客さんの中には静子さんが混じっていて
オレを見つけるなりやってきた
「頑張ってね空真くん」
「は…はい……」
静子さんの後ろに立つ忍先輩が
ジッとオレを見つめていた
静子さんは気がついていないみたいだ
「―――では2位を発表します」
…可笑しい
オレの名前が出ない
お客もザワザワと騒がしい
オーナーの声がやけにうるさく感じた
「2位…忍」
広々としたフロア内に響き渡る
お客さんたちの歓声
まるで何かの競技で日本が優勝したみたいな騒がしさだ