僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「ほら…見ろよ」
朝話していた先輩方の声が聞こえる
「忍先輩が2位落ちだ」
「それに対し空真は呼ばれていない」
「やっぱり空真じゃねぇの?」
先輩方の予想は当たった
「1位は…空真」
2位に忍先輩が呼ばれた時よりも騒がしい
静子さんも拍手をしてくれていた
「驚いたよ空真
まだキミは未成年なのに」
「お…オレも驚いています」
未成年だって言われて本当は否定しようと思った
だけど止めた
「…おめでとう空真」
「忍先輩…」
「お前の頑張り見てたよ
俺にないモノ沢山持っていたな
静子様から聞いた
家族のために頑張れよ」
忍先輩からの言葉にオレは泣きそうになった
そして忍先輩から受け取ったナンバーワンの証でもある
あのいつの日かテレビで見たあの豪華な部屋の鍵を握りしめた
誰かに1位の座を取られるまで
オレはあの部屋の主になる
「ありがとうございます…忍先輩!」