僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







バイトをし始めて数カ月経った頃

オレを訪ねに見知らぬ男性が来た




「以前
キミがカメラアシスタントとして働いている姿を見てね

どうだろう?
キミさえ良ければ
仕事している所を写真に撮らせてもらえないか?」




その人はある出版社の幹部で

出版社は今度

頑張って働く人の写真を収めた雑誌を出版しようとしていた

オレは申し出にオッケーし

その特集雑誌の表紙を飾った



その雑誌が発売されて数日後

今度はまた見知らぬ男性が現れた

名刺には有名な芸能事務所の副社長だと書かれていた




「この間
仕事をする人たちを収めた雑誌に載っただろう?

実はあの後
その出版社に多くの問い合わせが来たんだ
あの雑誌の表紙を飾ったのは誰だ…とね

我が事務所の社長は
キミを誘った人の知り合いでね
キミのことを聞いたよ

どうだね?
キミさえ良ければモデルとしてデビューしないか?」




信じられなかった

夢だと思った

だけど頬をつねっても夢じゃなくて




「お願いします!」




オレの答えに副社長は満足そうに微笑んだ






< 323 / 413 >

この作品をシェア

pagetop