僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory






そういえばこの間

春休みを迎えたばかりだとか言っていたのに

風邪のせいでどこにも行けなかったとか言っていたな




「本当は家で安静にしている方が良いんだろうけど
春休みどこにも出掛けられなかったから…

このまま病院と家を往復だけなのは寂しいでしょ」




確かにオレが斗真ぐらいの年齢の時は

外で遊び回っていたっけなぁ

…確かに病院と家の往復だけじゃ寂しいだろうな




「わかった
オレが斗真とどこか行ってくるよ

來兄は行ってきて良いよ」


「なるべく早めに帰るよ
空真も今日は帰ってくるって言っていたから」


「わかった
行ってらっしゃい來兄」


「行ってきます」




來兄を見送り

オレは斗真の部屋へ向かった

扉を開けると斗真が椅子に座って本を読んでいた




「斗真」


「…あっ竜真兄ちゃん!」




本から顔を上げて斗真は笑った

その顔も手足も小学生男子にしてはやけに細くて白い

あんまり運動が出来ないし

外に出る機会がないからなんだろうけど




髪を伸ばしてスカートでも穿けば

きっと立派な女の子になりそうだ






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