僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
楽しそうにしていなかったから
出掛けても楽しめるか少し不安だったけど
いざ自宅を出ると
斗真は嬉しそうに笑った
やっぱり出掛けるの楽しいんだろうな
「どこ行くの?お兄ちゃん」
「んー…どこ行こうかなー」
ふたりきりだからか
短くお兄ちゃんと呼ぶ斗真
嬉しそうに空を見上げるその姿は
…やっぱり小学5年生に見えない
「斗真はどこか行きたい所あるか?」
「僕?うーん…」
首を傾げたまま黙り込んでしまう斗真
…この質問はやめた方が良かったかもしれない
行きたいところが斗真には多すぎる
「行きたい所あるか?」
「……ない」
「んじゃ…
オレの買い物に付き合ってくれるか?」
「お兄ちゃんの買い物?
良いよ!」
オレらは洋服が売っている通りに向かって歩き出した