僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







斗真は普段ニコニコ笑っているか

熱のせいで苦しむ顔の

どちらかしか見せない

ほんのたまに見せる顔が…真顔


斗真の真顔は

兄のオレでさえもビビってしまうほど

結構迫力があり怖いものだ





「…お兄ちゃんは良いよね
少なくたって家に仕送りとか出来ているんだから

僕なんて1円もいれていないよ」


「そりゃお前はまだ未成年だから…」


「じゃあ成人したら仕送り出来る
お兄ちゃんはそう考えているつもり?」





斗真の質問にオレはぐっと詰まった



斗真の体質は一生治らないと言われている

体質だから生まれつきで原因がわからないと

一生斗真は入退院の多い弱い身体と付き合って行く

将来何事もなく働けるか…わからない





「…兄貴がそれぐらいで悩むのなら
俺は一体どうなるんだよ…」


「斗真……?」




驚いた

普段自分のことを“僕”と言うのに







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