僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
斗真はガタンッと立ちあがった
コップにはいる氷がカランッと音を立てた
「……兄貴なんて知らねぇよ…」
「斗真っ!」
タッと走り出した斗真は
オレの声に振り向かないで
カランカランッと店を出て行ってしまった
オレは急いで伝票を持ってお会計に行った
リゾットを食べ終えていて良かった
「斗真っ!?」
ファミレスを出て叫ぶけど
斗真の姿が見えない
「斗真!斗真!
どこにいるんだ!斗真!!」
もしもの時の薬はオレが持っている
走るなど激しい運動は禁止されているはずだ
もし倒れたら…っ!
オレはケイタイのリダイヤルから
來兄と空兄に電話をかけた
時間から見れば父さんはまだ講義中だ
ふたりは出てくれた
オレは走りながら叫んだ
「マズい!
斗真がいなくなった!!」