僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
松永先生の車に送られ
僕は久しぶりに自宅へ帰ってきた
荷物を荷台からおろして松永先生と別れる
久しぶりに見上げる自宅
慣れているはずなのに自分の家とは思えないな
そういえば今日は日曜日だけど…
明日は学校行けるかな
久しぶりに行ってみたいな
成績とかもあるし…
あ―…またノート大量に写さないとな
先生たちは理解してくれているから
提出はゆっくりで良いって言ってくれるけど
内心は僕みたいな生徒のこと厄介だとか思っているのかなぁ
佐藤先生ぐらいかな…本当に提出をゆっくりで良いって
心から言ってくれるのは……
僕はインターフォンを押さないで
静かに門を開けて
扉を開けた
…やけに静かな室内だ
今日は父さんも帰ってくるって言っていたのに
空真兄ちゃんと竜真兄ちゃんは帰ってこれるかわからないって言っていたけど
少なくとも來真兄ちゃんがいるはずだよなぁ
そもそも鍵を開けっ放しにしてどこかへ出掛けるってことはあり得ないはず
…何かあった?
ミステリー小説を読んでいたからか
嫌な予感ばかり頭をよぎる
確かあの『古城ホテルで起きるミステリー』って
最初の被害者・ホテルのオーナーである旦那さんは
こうして奥さんが帰ってきたら死んでいたんだよね
「……」
ゾクッと寒気がした