僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「斗真
荷物貸して」
「ありがとう來真兄ちゃん」
持っていた荷物を渡す
中身は着替えとか…そんな入院生活に必要なものばかり
「まぁ座れよ斗真
まだ病み上がりなんだから大人しくしておけ?」
「ありがとう
……ねぇ竜真兄ちゃん」
「何だ?」
「さっき
どうして皆して天井見上げていたの?」
気が付かないでいるつもりだったけど
やっぱり気になって
隣に座る竜真兄ちゃんに聞いた
「あー…
多分これ見たから
思い出に浸っていたんだろう」
「これは…アルバム?」
テーブルの上に置いてあったアルバムを手に取る
僕が話す前に亡くなってしまった母さんを真ん中にした
最初で最後の記念写真
『斗真にこれが家族だって見せてあげたいでしょ?』
母さんが亡くなる原因になった風邪にかかっていたにも関わらず
母さんは小さなデジカメで松永先生に撮ってもらったと
前に父さんやお兄ちゃんたちから聞いた
まぁその風邪に僕もかかったから
母さんと同じような体質になったんだけどね…