僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
意識を飛ばさないよう
尚且つ発作に耐える斗真は
思わず目をそらしそうになるほど辛そうだった
顔色もさっきまで良かったのに
今は赤みを帯びている
さっき來兄が計ったみたいだけど
38度だったようだ
オレは手を伸ばして
斗真の柔らかな黒髪を撫でた
息をするのは苦しそうだけど
寝顔は何だか穏やかだ
…慣れているんだろうなぁこういう熱にも
「竜真」
「何?來兄」
「斗真が言っていた
雨の日の出来事って何のこと?」
「オレも気になった」
「リュウ
話してもらっても?」
オレは斗真の部屋にある椅子に座った
小さな応接間みたいになっていて
父さんも兄ふたりも座った
「あれは…斗真が小学校の高学年ぐらいの出来事だったかな…」