僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory







「…ありがと」




ふわっと斗真が笑った

久しぶりに見る笑顔だった




「覚えていたんだね」


「当たり前でしょ
まぁ言っていたのは随分前だから
だいぶ待たせちゃったけどね」


「ううん
覚えてくれるだけで嬉しい

いただきます」





スプーンを手に取り飲み始める

オレたちはその間看護師さんが持ってきてくれたご飯の存在など忘れていた

ただ目の前の光景に目が釘付けになっていた








「ありがとう
ご馳走様でした」


「良かった
気持ち悪くなってない?」


「平気」




「「來兄すげぇ……」」






空っぽになったボウルを眺めオレたちは一緒に呟いた

もはや溜息も出て来ない

出てくる言葉は來兄を称える言葉だけ





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