僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
先生が行って
彼女は俺の手を握った
「私は小谷(こたに)萌!
キミはなんて言う名前なの?」
「柿沢(かきざわ)樹……」
「樹くん?
よろしくね!
私のことは萌って呼んでよ」
「うんっ!萌ちゃん」
俺はそれ以来
何かある度に萌と一緒に遊んだ
後日母親同士が学生時代の友達だとわかると
お互いの家を行き来するような仲にまでなった
『この子は私の王子様だよっ!』
あの日萌は俺を庇って言ってくれた
俺は萌の王子様になろう
子ども心にそう誓った
あの日俺を守ってくれた萌を
今度は俺が守ろう
―――そう誓ったはずなのに