僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「白羽くん
今日いきなりあたしたち訪問しちゃったけど
本当は止めておいた方が良かったんじゃないの?
どうして追いだしたりしなかったの?」
「……当たり前でしょ
来てくれたの…嬉しかったから」
病室にも来てくれたみたいだけど
あの時は今以上に辛くて
来てくれた記憶も熱のせいで飛んでしまっている
「今日退院したんでしょ?
嫌じゃなかったの?」
「嫌なわけないよ…
会いたかったよ僕は」
それなのに僕は……
視界が揺れた
眩暈のせいじゃない
僕は手の甲で目をこすった
「…あたしも会いたかった
会えなくて寂しかった」
「…ごめんね
寂しい想いさせちゃって」
「ううん
白羽くんのせいじゃないよ
雨のせいでしょ?」
おどけたように笑う黒木さん
…真実を知らない先生が言ったことを信じているんだ
僕はそうだねと頷いた