僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「……ありがと」
「どういたしまして」
隣に座ってニコニコと笑う黒木さん
…ずっとこの笑顔が見られたらと密かに僕は願う
「……実はね」
隠し事はしたくなかった
こんな黒木さんみたいな純粋な目を前にして
全部話した
今日退院して戻ってきて発作を起こしたことを
「でも
黒木さんたちが来た時は辛くなかったよ
これは本当なんだ」
「あのトイレって嘘でしょ」
「……ごめん
迷惑かけたくなかった」
「どうしてよ」
ハッとする
黒木さんが今にも泣きそうな目で僕を見ていたから
「自然の森で言ったでしょ
あたしは迷惑も責任も全部背負うって
お願いだから1人で抱え込まないで
1人で嘘や秘密を隠そうとしないで
あたしだけには素直に言ってよ」
「……どうして…」
僕の声は情けないほど震えていた