僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory








「……ありがと」


「どういたしまして」




隣に座ってニコニコと笑う黒木さん

…ずっとこの笑顔が見られたらと密かに僕は願う




「……実はね」




隠し事はしたくなかった

こんな黒木さんみたいな純粋な目を前にして

全部話した

今日退院して戻ってきて発作を起こしたことを




「でも
黒木さんたちが来た時は辛くなかったよ
これは本当なんだ」


「あのトイレって嘘でしょ」


「……ごめん
迷惑かけたくなかった」


「どうしてよ」




ハッとする

黒木さんが今にも泣きそうな目で僕を見ていたから




「自然の森で言ったでしょ
あたしは迷惑も責任も全部背負うって

お願いだから1人で抱え込まないで
1人で嘘や秘密を隠そうとしないで

あたしだけには素直に言ってよ」


「……どうして…」





僕の声は情けないほど震えていた






< 408 / 413 >

この作品をシェア

pagetop