僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「凄く優しかったから…」
「自分が優しくされたわけでもないのに?」
「うん…
他人に優しく出来る人だよっ!」
珍しく興奮気味に話す美夜
白羽に完全に恋しているのはわかるけど…
「止めた方が良いんじゃない?」
「どうして?」
「私1年の時同じクラスだったけど…良い噂聞かないよ?」
美夜は「白羽くんは優しい」と言うけれど
私は白羽が他人に優しくしている姿も
他人と話している姿も見たことがない
「美夜には悪いけど…
うわべの優しさだったってことはないの?
実際に美夜が優しくされたんじゃ話は別だけど…
他人だけに優しい人もいるんじゃない?
美夜が彼女になったからって優しくしてくれるかどうかは…限らないよ?」
私が白羽を批判する度
美夜の顔から笑顔も赤みも消えていく
「…でもぉ…好きなのぉ……」
とうとう美夜は泣きだしてしまった
…まさか泣くと思っていなかった私は驚いた