僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「ちょっ!美夜!?」
「あー!
萌ってば何美夜を泣かせているの?」
クラスメイトの黒岩がやってくる
何かとちょっかいを出してくる“トラブルを生む女”
「萌は悪くないもん…
ただ単に泣きたくなっただけだもん…」
涙ぐみながら美夜が庇ってくれる
…ふとあの日を思い出した
こうやって美夜みたいに泣いていた私
美夜みたいに何も言えなかったけど
…そんな気弱で泣き虫だった私を樹は助けてくれた
今でも樹は私の王子様なのに…
もう忘れちゃったかな?
…覚えていたにしてもあの頃は幼稚園生
何を言っていても良かった
高校生にもなって王子様なんて…
幼いままだなぁ私って
美夜が白羽を想うみたいになれたら良いのに
素直になれたのなら
樹は私を見てくれる…?
無視しないでくれる…?
冷たくしないでくれる…?