僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
「怖いの…
このままふたりが帰ってこなかったらって思うと
だからお願い…
樹までいなくならないでよ…
私の傍からいなくならないで…」
「萌……」
我ながら情けないと思う
だけど
どうしようもなく声が震える
王子様なんだよ?
樹は私の王子様なんだよ
馬鹿みたいって笑われても良いんだ
あの時からずっと
キミは私の王子様なんだよ
大事な幼馴染なんだよ
私の好きな人なんだよ
樹に自然に肩を抱かれる
ドキッとした
だけど優しく慣れていないその手付きが
何だかとても愛おしく思える
「俺…
萌が好きだ……」