僕があの子を好きになっても良いですか?anotherstory
クラスメイトがいる場所から離れた場所で
樹があたしの手を掴み
目をしっかり見つめながら
意思のこもった言葉を紡ぐ
「萌は覚えてないかもしれねぇけど
幼稚園で初めて会った時から…
俺はずっと萌が好きだったんだ
だけど俺は自信がなくて…
俺よりも良い男が萌にはいるって思って
ずっとずっと言えないできた
でも嫌なんだ
萌が他の男のモノになるって思うと
萌は渡さねぇって思えてきて…
萌が他の男のモノになるなんて
考えられねぇ
萌…
俺はお前が好きだ」
…以心伝心ってこの世にあるんだ
あたしはそう強く感じた
「樹…
私も
樹が好きだよ…?」
「萌……?」
「私もずっと
幼稚園の時から
樹のこと大好きだったんだよ?
それなのに樹ってば
私に対して冷たくなっちゃって…
嫌だったし
寂しかったんだからね?」
「ごめん…萌……」
「これからは一緒にいてくれるんだよね?」
「……勿論(もちろん)…
当たり前だろ…?」
「私だけの傍にいてね?」
「当たり前だろっ……?」
「私だけの
王子様でいてね?」
『この子は私の王子様だよっ!』
…そう言ったあの日のことを
あたしは一生忘れないだろう
「当たり前だろ?
俺は萌だけの王子様だよ
だから萌も
俺だけのお姫様でいてくれよな?」
恥ずかしくて言えなかったけど
樹以外のお姫様になるつもりなんて
ないんだからねっ!!