犬猫系彼氏との付き合い方«番外編»【完(仮)】


何も見えない真っ暗な道を、壁にそって走る。


途中、血だらけの男の人や、床に這いつくばる髪の長い女の人になどにあった。

そのせいか、もう何も考えられなくなって、音羽ちゃんのことも忘れて走る。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!

もういやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
来ないでぇぇぇぇぇぇ!

きゃぁぁぁ!
んぐっ」


急に口元を抑えられ、脇道に引っ張られる。


軽くパニックに陥った私はただひたすら手足をばたつかせて、声を出す。


「んんんん!

んんんんんんんんんん!」


「優菜、優菜落ち着けって」


耳元で先輩の声が聞こえたと思ったら、手が口から離された。


「せ、先輩っ

……いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


思わず顔を上げると、そこにいたのは血だらけの先輩。


もう、いやぁ……


「あ、ちょ、おい

優菜、泣くな、な?」

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