夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加

だって、だってね。

私はワインが大好き。

しかも最近のマイブームは、イベリコ豚の生ハム。

イベリコ豚の生ハムの存在を知ったのはもっと何年も前なんだけど、最近になって漸く実際に食べたら、めちゃくちゃ美味しくてすっかりハマってしまったのだ。

けどわりと高価だし近頃は全く食べてない。

た……食べたいし飲みたい。

愛児は真顔で私を見つめている。

私は愛児を凝視したまま、考えを巡らせた。

……この男は、名字が同じで名前の一字がかぶり、おまけにDVDの趣味まで同じで挙げ句に好きな食べ物や酒の好みまで似ているのか。

だとしたら、これって……運命とか……？

私は無言で愛児の全身を眺めた。

180㎝はありそうな長身、小さな形のよい頭に端正な男らしい顔立ち。