夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
私がペタンと床に座って愛児を抱き締めたら、彼は息を飲んで私を見つめた。

「ほんと?」

「うん。私を……私をあなたのお嫁さんにしてください」

「やったーっ!!」

愛児が天井を仰いで叫んだ。

そ、そんなに叫ばなくてもっ!

私はその絶叫にビックリして後ろに手をついた。

スゴい拍手が沸き起こり、私は初めて、自分達の周りに人垣が出来ていた事実を把握した。

嘘でしょーっ!?

「愛児、恥ずかしい」

私が震える声でそう言ってるのに、愛児は甘く笑うと、スーツのポケットから何かをつまみ出した。
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