夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「俺の気持ちを受け取ってください」

そう言って私の左手を取ると、愛児は薬指に優しくそれをはめた。

「きゃああっ!」

夜空で一番輝いている星が、突然自分の指に降ってきたようだった。

深い輝き。

言葉にできないくらい、その指輪は本当に美しく光っていた。

私の声に、ギャラリーが歓声をあげる。

もう、ダメ。

こんなお洒落で大きなダイヤモンド、したことないし、見たこともない。

き、気絶してもいいですか……?!

「こら、泡を吹くな」

吹いてない、まだ吹いてない!

「てゆーかなんで裸足でドレスまくり上げてんの?田植えでもする気かよ。
……まあいいや、いくぞ!」
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