夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「ダメ、もう立てない」

すると愛児が、私の耳元に唇を寄せて囁くように言った。

「まだヤってねーのにイクんじゃねーよ」

「な、な、な」

愛児は不敵な笑みを浮かべて私をチラリと見た。

「バラは片手でお前が持て。しっかり俺にしがみついてろ」

「きゃああっ!!」

「おーっ!!」

歓声が一際大きくなって、死ぬほど恥ずかしかったから、私はきつく眼を閉じてひたすら愛児にしがみついていた。

「フッ……」

愛児の小さな笑い声。

「な、なに」
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