夢中にさせてあげるから《短編》番外編追加
「乃愛、可愛い。すっげー可愛い。めちゃくちゃ愛してる」

「……っ!」

愛児はホテルのロビーを出て、私を抱いたまま大通りを歩き出した。

私たちのマンションは目と鼻の先だ。

だけど、だけど……お姫様抱っこだし、恥ずかしい。

「愛児、私、歩く」

「ダメ」

「なんで」

「可愛いから」

「おろして」

「ダメだ」

「お願い」

「愛してるよ、乃愛」
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